2022/06/17 07:00
【動機善なりや私心なかりしか】
この言葉は、尊敬する京セラ創業者 稲盛和夫さんの言葉である。
私自身、稲盛和夫さんが主宰されていた「盛和塾」で学んだことはないが、20代後半の時、経営者の先輩の勧めで稲盛さんの著書を拝読させてもらったのが稲盛さんから学び始まりの第一歩だった。
≪以下 稲盛和夫 人生を考えるより≫
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大きな夢を描き、それを実現しようとするとき、「動機善なりや」ということを自らに問わなければなりません。自問自答して、自分の動機の善悪を判断するのです。
善とは、普遍的に良きことであり、普遍的とは誰から見てもそうだということです。自分の利益や都合、格好などというものでなく、自他ともにその動機が受け入れられるものでなければなりません。また、仕事を進めていく上では「私心なかりしか」という問いかけが必要です。自分の心、自己中心的な発想で仕事を進めていないかを点検しなければなりません。
動機が善であり、私心がなければ結果は問う必要はありません。必ず成功するのです。
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私自身、振り返ること8年前、障がい福祉事業所を立ち上げる準備の段階で随分と悩んだ。
果たして、私が行おうとしている取り組みは、どれだけの人たちの為になるのだろうか。
この事業は、自分の私利私欲の為に立ち上げようとはしていないだろうか・・・
常に俯瞰と仰望の繰り返しだった。
そんな時、私の心に突き刺さった言葉が前述の「動機善なりや・・」だった。
その後、障がい者就労支援事業所を立ち上げ運営を開始した数年後、管理者が不在となることがあり大変苦労した。
管理者不在は減算の対象となり、結果、1年弱 半額減算での事業運営だった。
分かりやすく言えば経営は真っ赤っかの赤字運営だったのだ。
それでも事業所の運営を辞めなかったのは、事業所を利用してくれている利用者さん、その保護者のみなさんのこと、
そして何よりも、この事業を立ち上げる覚悟の根底である、「共に皆が等しく働き、共に活躍できる環境を創る」ことが幸房かおりやの存在意義だと覚悟して事業を始めたという想いからだ。
それは正に「動機善なりや私心なかりしか」のあの原点に想いが続いていたからだと痛感する。
さらに言えば、事業所を立ち上げる際に大変お世話になった理事長(当時は事務長)から問いかけられた言葉も大きかった。
「野田さん!あなたが立ち上げる事業所がもし、給付金をもらわなくても、それでもやりたい続けたい事業ですか?」
この二つの言葉があったからこそ、今の事業運営が活きていると痛感している。
決して今も順風満帆な事業運営ではない。
しかし、事業運営を行っていく基盤である「動機善なりや私心なかりしか」という想いに揺らぎがない限り必ずいい方向に帆は進んでいくと信じている。